「先輩！行かないでください！！私を置いていかないで欲しいっス！！」
　桃子は必死に訴えるが、由美は静かに首を横に振る。
「済まない、モモ。私には久が必要なんだ。だから、私は久についていく」
「そ、そんな先輩！！待って！！」
　桃子の叫びもむなしく、由美の姿が遠ざかっていく。
「先輩！せんぱーい！！」
　そして桃子は、汗だくになりながら目を覚ました。

「と、透華！！！嫌だよ！ボクを置いていかないでよ！！」
　一は必死に訴えるが、透華はゆっくりと首を横に振る。
「ごめんなさいハジメ。私は清澄の部長をやっているあの人を欲しいんですの。ハジメ、貴女は今日限りでクビよ」
「そ、そんな透華！！」
　一の叫びもむなしく、透華の姿が遠ざかっていく。
「透華！透華ーーーー！」
　そして一は、汗だくになりながら目を覚ました。

「キャプテン！！行かないでください！！」
　華菜は必死に訴えるが、美穂子は力なく首を横に振る。
「ごめんなさい、華菜。私は、上埜さん無しでは生きてはいけない体になってしまったの。だから、さようなら」
「そ、そんなキャプテン！！」
　華菜の叫びもむなしく、美穂子の姿が遠ざかっていく。
「キャプテン！キャプテーーーーーン！！」
　そして華菜は、汗だくになりながら目を覚ました。

　それからしばらく時間が経ち。３人はやつれた表情でばったり遭遇した。
「おはようッス」
「おはよう」
「おはよー」
　そして三人は大きく欠伸。
「なんだか眠そうっスね」
「ちょっと、いろいろあってね」
「そうそう、とっても思い出したくないような悪夢を……」
　そして三人は大きくため息をつく。
「あれぇ？珍しい組み合わせね」
　不意に、三人の背後から声が飛んできた。
　三人がその声に条件反射的に後ろを振り向くと、久の姿があった。
「おはよー……って、あれ？どうしたの？」
　久は少し戸惑いの表情を見せる。
　三人とも、怖い表情で久をにらんでいるのだ。
「何よ三人とも。何か私に言いたそうな顔してるわね？」
　久はニヤリと笑った。
「いいわ。牌を通して言葉を聞いてあげる。私と勝負よ！」
「望むところっス！」
「絶対負けないんだから！！」
「必ず勝つ！！」
　三人は即座に呼応する。
　
　そして、様々な思惑が絡んだ対局が始まった。