このお話は、筆者が旅の記念に、心の思い出にと、徒歩で碓氷峠越えに挑戦したお話です。

　いつものように、シェラレポーターに報告してもらいたいと思います。

「えええええええええっ！？ちょっと待ってよ！！」

　ん？どうした？

「碓氷峠って、この前歩かされた安中榛名〜安中区間よりも距離があるじゃないか！！」

　そっかぁ？？

　安中榛名〜安中も、軽井沢〜横川も似たり寄ったりの距離だと思うけど？

「全然違うよぉ！！とにかく、ボクぜーったいイヤだよっ！！」

　イヤだっていわれてもなぁ……もう決めちゃったことだし……

「ねえ湖さん？」

　なんだ？

「ボク思うんだ。いろいろ企画するのは勇気のある行動だけど、それを破棄することも勇気のある行動なんじゃないかなぁって」

　……それで？

「もし湖さんがただのポークなチキンハートじゃないんだったら、企画をボツにしてもそれは大英断だとしてみんなからたたえられると、ボク思うんだけど……」

　……ふーん……

「だからさぁ……考え直すっていうのも……」

　行ってこい。

「……えっ？」

　俺はポークなチキンで十分だから、さっさと行ってこい。

「えーーーーーーーーーーっっっ！？」

　嫌ならこっちにも考えがあるぞ？

「な、なにかな。考えって」

　実は今、久しぶりに外伝のほう書いてるんだが……ああっ、シェラの名前にデリートキーが勝手に……

「ひ、卑怯だよ！！人質を取るなんて！！」

　人質ではない。モノ質と言い給え。

「う〜〜〜〜っ！！」

　さあ？どうする？

「わかったよ！！行けばいいんでしょ！？行けば！？」

　そうだ。行きゃあいいんだよ。行きゃあ。

「湖さんって、ホント人使いが荒いんだから……はぁ……」