そうこうしているうちに、新幹線は軽井沢を通り過ぎていった。

「臨時停車……」

　シェラは名残惜しそうに雪の積もったホームを眺める。

　三人は戻って来る様子がなかった。

「そんなに切羽詰まった事態になってるのかな？」

　シェラはボーっと流れ行く車窓の雪景色を眺める。

　そして新幹線は、ついに佐久平へと到着した。

　シェラは色々とヤバゲな光景を思い浮かべる。

　駅の近くで赤色灯を回転させながら待機している救急車。

　ホームに待機している救急隊員。

　担架に乗せられ、運ばれていく病人。

　ほんのわずかな時間でも命を救うための人間ドラマが幾重にも展開されていく。

「さーて♪」

　シェラはホームへと降りた。

「……あれ？」

　しかしそこには、彼女の期待していたものは何もなかった。

「……つまーんないのー」

　シェラは面白くなさそうに呟くと再び新幹線に乗り込んだ。

　結局、重病人はどうなったのか。

　その答えは知ることのないまま、上田で降りることになったのであった。

「異議あり！！」

　うわっ！？いきなりどうした？

「これっていつもの趣旨からは外れてるじゃないか。タイトルに偽りがあるよ」

　まぁ、確かにそうなんだけどさ……書いてみたかったんだからいいじゃねーか。

「１００歩譲っていいとしても、ボクこんなに不謹慎な女神じゃないもん！！湖さんと一緒にしないでよ！！」

　まぁ、細かいことは気にするな。

「全然細かいことなんかじゃないもん！！」

　わかったわかった……チョコパ３杯で手を打ってやろう。

「それはボクのセリフだよぉ！！それに、３杯じゃ許してあげないもん！！」

　じゃあ、何杯なら許すんだ？

「えっとね……５杯、かな？」

　わかったよ……おごればいいんだろ？おごれば。

「えへへ……やったね♪」