続いて二人は、同じＢ−３ブースにある、牡蛎めしへと向かった。

　ここも既に長蛇の列ができており、その人気の高さをうかがわせる。

　２ヶ月くらい前にテレビ放送されたことも、それに拍車をかけていたようだ。

「ここは思ったよりも早く買えそうだね」

「そうね」

「牡蛎めしかぁ」

「広告には『つぶかきを炊き込んだご飯＆醤油味で煮込んだ牡蛎のかきづくし！』って書いてあるわよ」

「そうなんだ？それじゃあ、ボク達も本業の方をやらないと」

「そうだったわね」

　二人はコホンと咳払いをした。

「はい、こちら現場のシェラです。ボクは今、駅弁大会に来ています」

「同じく現場のレイアです。見てください、この熱気。冬だというのに、ここはまるで真夏の海辺にいるような感覚です」

「レイアさん、まずは牡蛎めしに挑戦するわけなんですけど」

「そうですね。広島県は山陽本線広島駅から参戦してきた駅弁、『瀬戸の牡蛎めし』は１０００円で売られているということもあって、かなり人気が高い駅弁です」

「見てください。この行列。既に長蛇の列ができており、整理券も配布されています」

「この青いチップが整理券代わり、というわけですね」

「大粒の牡蛎が４つものっていて、噛み締めるほどに海のエキスがジワッと口の中に広がる感覚、もう最高ですよね」

「ええ。炊き込みご飯も味が染みとおっていて最高です。あっ、ようやく私たちの番が回ってきたみたいです」

「それじゃあ早速購入するとしましょう」

「貝対決の三つ巴戦。この後一体どのようなバトルが展開されるのか、ますます目が離せなくなってまいりました」

　レポートを終えると二人は、すぐさま次の場所へと向かった。