「にんむかんりょー！！」

　戻ってきたシェラはソファーに腰掛けゆっくりくつろいでいた。

「おつかれさま。今日は大変だったわね」

　イリスがねぎらいの言葉をかける。

「ホント大変だったよ。でもまぁ、湖さんの家に犯行予告代わりのチラシも投函してきたし、もう完璧」

「そんなことして大丈夫？」

「いいのいいのそれくらい。杠葉さんにも少し苦労を味わってもらわないと」

　奥の方からレイアがお茶を持って姿を現す。

「さ、食べましょ食べましょ」

「そうだね」

　シェラは大きく頷いた。

「それで、その駅弁はどこ？」

「え？そこに置いといたはずだけど？」

　シェラの言葉に、レイアはテーブルの上を見る。

「ここに？ないよ？」

「おかしいわね……確かにそこにおいといたんだけど……」

「ああ、それならさっき、ミントがそっちに持ってったわよ」

「えっ！？」

「ええっ！？」

　イリスの言葉に、二人の表情が真っ青になった。

　そして慌てて、隣の部屋へと行く。

　そこには空となった駅弁の箱をうずたかく積み上げ、満足そうにお腹をさすっているミントの姿があった。

「み、ミント！！」

「アアッ！！ボク達の駅弁が！！」

「あっ、レイアにシェラ。二人とも、ミーのためにありがとぉ〜」

「何であなたのために買わなくちゃいけないのよ！！」

「そうだよ！！ボク達の駅弁かえしてよ！！」

「えっえっ？あぅ、苦しいよぉ〜！！」

　シェラとレイアはミントに襲い掛かる。その様子をイリスが頭を抱えながらそっと見守るのであった。