北陸道を降り、金沢駅、忍者寺と回った一行は、渚ドライブウェイへと向かった。

「……って、金沢駅でのやり取りは！？」

　それは、おそらく北陸本線の時に取り上げると思われ。それに、電車で立ち寄ったのならともかく、バスじゃあなぁ……

「まぁ、確かに」

　忍者寺もなぁ……なんていうか、語るに値しない成金寺って感じだったし。

「それもそうだね」

　というわけで、渚ドライブウェイ。

「でも、ボクの記憶が正しければ渚ドライブウェイって、確か帰りに寄ったはずじゃ？」

　まぁ、そうなんだが……ぶっちゃけ、編集上の都合で。

「何それ！？」

　いいんだよ。テレビや新聞なんかじゃ、恣意的な編集は日常茶飯事なんだから。

　というわけで、やってきました渚ドライブウェイ。

「強引だね」

　……コホン。ここは、海岸の砂浜を車で走れることで有名なところである。

　あの土曜ワイド劇場、温泉若女将の旅情殺人推理シリーズで、東ちづるが渡辺いっけいに向かって、「でも、渚ドライブウェイがあるじゃない！！」と叫び、アリバイトリックを崩した、有名なシーンの撮影場所としても知られている。

「有名って言うよりマニアじゃないかな？」

　いいんだよ。というわけで、せっかくここに来たんだ。シェラ、超有名女優の真似をしてみてくれ。

「ボ、ボクが！？」

　はい。コレ台本ね。

「そ、そんなこといわれても困るんだけどなぁ……コホン。え、えっと、それじゃあ、行くよ」

　おうよ。

「……確かにあなたはあの時間、ポーレルと一緒にホテルのロビーにいたわ。そして、あの時間、国道は集中工事によって、通行止めになっていた。完全にあなたのアリバイは成立するわ。でも……渚ドライブウェイを使えば、犯行は可能だわ！！」

　……うーん……なんか大根だなぁ。女神たる者、これくらいはこなしてほしいんだが。

「うるさいよ！！」

　大根はそのぶっとい足だけにしてほしいもんだぜ。

「むー！！ぱんちぱんちー！！」( ^-^)＝○（)ﾟOﾟ)

　きゃうん！（*Ｔ◇Ｔ*）