空は青く澄み渡り、時折心地よい風が吹き抜ける。

　初秋の日差しを受け、木々が色鮮やかな化粧の準備を始めている。

「絶好の旅日和だね！」

　シェラは空を見上げて、これからの旅に想いを馳せた。

　テーマパーク。

　ああ、なんて甘美な響きなんだろう。

　どんなアトラクションが待っているのか、シェラは胸を高鳴らせずには居られなかった。

「すみませーん。遅れましたー」

　そこへ待ち人がやってくる。

「遅いよレイア！ボク待ちくだびれたよ！」

　シェラはプンプンと怒りながら、レイアにむくれた表情を向ける。

「本当ごめんなさい。目的地ついたらジュースおごりますから」

「絶対だよ？」

　シェラは念を押す。

　レイアは「はい」と、コクンと頷いた。

「それじゃあ、テーマパークへ向けてしゅっぱーつ」

「はい」

　シェラとレイアは改札を抜けて２番ホームへと向かう。

　そして程なく入線した準特急新宿行きに乗車し、新宿へと向かった。