「……………………」
無言のまま睨むレイアの視線を感じながら、シェラは駅へと降りる。
しかし乗降客は、シェラ達の他にも１０人前後いた。
しかも、周りには建物もあり、車も頻繁に行き交っている。
「どこが秘境駅なの？」
シェラは率直な感想を口にした。
「そう……ですね」
レイアも首をかしげる。
過去の例から言って、そこは「秘境駅」というにはほど遠い雰囲気を醸し出していた。
「エミルってば、ボク達を驚かせるつもりであんなこと言うなんて。秘境駅恐るるに足らず、だね」
シェラは胸をはって得意げに言った。
「それじゃあ、早速テーマパークへ行こうよ！」
「そうですね」
二人はそのまま行川アイランドへと向かう。
しかし――
そこは、鉄の扉で固く閉ざされていた。
「何これ！！廃墟じゃん！！！騙されたーーーーー！！！」
シェラの叫びが天高くこだまする。
その横でレイアがジト目になりながら、シェラを睨んでいた。