「はぁ、今日はとっても楽しかったわ」
「そうですね。ミーシャさん、とってもはりきってましたもの」
「とーぜんよ！あたしと彬は一心同体なのよっ！」
　ミーシャさんはエッヘンと胸をはっていいます。
「それよりも、アンタこれからどうするの？」
「わたしですか？わたしは学校に戻ろうかと考えてます。今から戻れば５限目の授業には間に合いそうですし。ミーシャさんは？」
「あたしも戻ることにするわ。でも、先生にこってり絞られそうだけど」
「わたしも同じですよ。お互い大変ですね」
「ホント。あーあ、なんで今日休みじゃないんだろう？」
「仕方ないですよ。平日なんですから」
「でも、関係者の人達大慌てしてたみたいね」
「ええ。まさかわたし達のような人がこんなに大挙してくるとは思っていなかたんでしょう」
　記念式典終わった直後のこと。
　一部の人達が勢いあまって佐藤選手に迫るというハプニングが発生しました。
　そのため会場は大混乱。
　一時非常線がはられたほどです。
　わたし達はちょっと恐くなって外から見てましたけど。
「それじゃあ、あたしはこれで」
「はい、お元気で」
　ミーシャさんはバス停から八玉子駅行きのバスに乗車しました。
「また、会えるわよね？」
「大丈夫ですよ。今日のような偶然もあったんですから。いつでも会えますよ」
「そ、そうよね。それじゃあね、蜜柑」
「またいつの日か」
　プシュー
　バスのドアがしまり、エンジン音を響かせながら動き出します。
　わたしはそのバスが見えなくなるまで、手を振りつづけました。

　後日談になりますが、学校に行ったわたしは、やっぱり先生にたくさん怒られました。
　クスン……