恍惚の表情を浮かべるマリィ。
　そんなマリィを見下ろしながら激しく攻める俺。
　そしてお互い快楽の頂点に達する。
　これでもう五回目だ。
「……ふぅ」
　俺はベッドに横になった。
　すぐにマリィが身を寄せてくる。
　石鹸の匂い。シャンプーの香り。
　それらが鼻をつき、心地よい気分にさせてくれる。
　マリィはとても幸せそうな表情を浮かべていた。
「なぁマリィ」
「なぁに？」
「指の怪我、もう大丈夫なのか？」
「うん。功司君のおかげで治っちゃった」
　マリィは静かに言った。
「それに、功司君の人差し指ほどじゃないから」
「俺の？」
「うん。功司君の情熱的なその人差し指、あたし忘れられないかも」
　マリィはイタズラっぽく笑う。
「ねえ功司君」
「なんだ？」
「あたし達、こんなに幸せでいいのかなぁ？」
「……いいに決まってるさ」
「功司君……」
「マリィ……」
　そして俺達は、自然と互いの唇を求め合う。
「あたしね、功司君のこと愛してるよ」
「俺もだよ、マリィ。愛してるよ」
「うん……」
　マリィはこれ以上ないと言うくらいの微笑を俺に向けてくれる。
　この笑顔を見られるだけでも俺は幸せな気分になれた。
「功司君……腕枕、してほしいな」
「わかってるよ……」
　俺が腕を伸ばすと、マリィは頭をのせてくる。
　怖いくらいに幸せだった。
「なぁ、マリィ……」
　俺は天井を見つめながらそう呟いた。
　だが返事はない。
　返事の代わりに聞えてきたのは、スースーと立てている小さな寝息だった。
「今日はちょっと頑張りすぎちゃったもんな……」
　俺はマリィのほっぺたにキスをすると、電気を消してそのまま深い眠りへと落ちていった。