７階に着いた二人は、足早に大催場へと向かった。

　スタートダッシュはなかなかのもの。後は時間との勝負になる。

　Ｂ−３ブースで整理券さえゲットしてしまえば、後はもうこっちのものだ。

　ゆっくりと回ることができる。

「レイア、急いで急いで！！」

「わかってるわよ！！」

　シェラはレイアにもう少し早く歩くように促す。

　既に貝対決の実演には長蛇の列ができていた。

「えっと、列は……向こう？」

「行き過ぎ！！」

　Ｂ−３ブースへと到着した二人は、慌てて引き返す。

　予想通り、ここも長蛇の列が出来上がっていたのだ。

　素早いフォローで何とか列の最後尾に到着し、並ぶ。

「何とか並べたね」

「ええ。これくらいだったら何とかなるでしょう」

「それにしても……」

　シェラはチラッと後ろを見た。

　どんどん列の最後尾が延びていく。

「すごいね……」

「それだけ名物企画ってことでしょ？台湾の駅弁なんて、滅多に食べられるもんじゃないし」

「そうだけどさぁ……」

「まぁ、私達もその物好きな人達の一人だから」

「それもそうだね」

　シェラは頷くと、再び後方に目を見やった。

　既に最後尾はどこにあるのか、遥か遠くの彼方に見えなくなっている。

「もう４００人くらい並んでるかな？」

「そうね。開店してからまだ１０分も立っていないっていうのに……早くも売り切れかしら？」

「やっぱり早めにきてよかったね」

「ええ、そうね」

　そしてしばらくもしないうちに、やはりというか、整理券が配布され始めた。

　シェラとレイアはその整理券を受け取る。

　午後１時〜２時受け渡し、と書かれていた。

「整理券ゲット♪」

「さ、次いくわよ！！」

「うん！！」

　レイアとイリスは、足早に次のブースへと向かった。