二人はＤ−４ブースにある北海道の生シュークリームを買いに来ていた。

　お昼時ということもあって、あちこちのブースでかなりの賑わいを見せている。

「さあ、買ってきたわよ」

「ありがとー」

　シェラはレイアから生カスタードクリーム入りのシュークリームを受け取った。

「それにしてもすごい熱気だね」

「ええ。そうね。さすが駅弁甲子園だけのことはあるわ」

「松阪牛モー太郎弁当、開店２０分で売り切れちゃったのは驚きだけど」

「それを言ったら牛タン弁当だって。出したそばからはけてったじゃない」

「産地直送駅弁はやっぱ強いね」

「数量も少ないから」

「そういえば、鰯のほっかむり弁当、結構検討していたよね」

「実演販売組よね？鰯なんて海のルビーって呼ばれてるんでしょ？」

「そうそう。極端に取れなくなったって話」

「このまま据え置きの値段で頑張って欲しいものだわ」

「うん、このシュークリームオイシー！！」

「それ食べたら、一気にラストスパートかけるわよ」

「うん！！」

　シェラは大きく頷きながら、おいしそうにシュークリームをほおばるのであった。