大宮に着いた二人は新幹線を降りると、反対側のホームに行くために、下りのエスカレーターに乗って、そして通路を歩き、上りのエスカレーターに乗った。

　大宮駅は北陸新幹線の他に上越新幹線、東北新幹線が停車する。そのため乗降客も多い。

　上田駅よりもはるかに大きい駅舎の姿がそこにはあった。

「おまたせー」

　シェラが荷物を置いて待っていると、イリスが弁当を二つ買って戻ってきた。

「駅弁買ってきたの？ボクあんまり食べたくないんだけどなぁ」

「なーに言ってるのよ。鉄道の旅の醍醐味は、やっぱりコレでしょ」

「まぁ、それはそうなんだけど……」

「あっ、ひょっとして自分で選びたかったとか？それは帰りにすればいいじゃない」

　イリスはシェラの肩をポンポンとたたき、慰めようとする。

（ボク、別にそんなことで落ち込んでるとか怒ってたりするわけじゃないんだけどなぁ……）

　シェラはそう思いながらも、ソレを口にすることはなかった。

　それからまもなくして、ＭＡＸやまびこ＋つばさの連結車両が大宮駅のホームへと入ってきた。