このお話は筆者が子供の頃遊びに行った懐かしの地を訪れた時のお話です。

「素直に特急あさまが通らなくなってどれくらい寂れたのかを調べに行ったって言えばいいじゃない」

　ぐっ……そ、そんな失礼なこと、言えるわけないだろ！

「まったく、素直じゃないんだから」

　ゴホン……で、いつもの通り、案内役は敏腕レポーターのシェラが……

「ボク、やらないよ」

　はぁっ！？

「だってボクここんところずーっと働きづめだったし、たまには休暇が欲しいよ」

　なにぉう？ゴウカンちゃんのクセに生意気な。

「あーっ！！またその名前言ったー！！」（ポカポカポカ）

　だっ！？バ、バカやめろ！！

「やめないもん！！どーせボクは裏設定でしか生きられない女神ですよーだ！！」

　だあああ！！わかった！わかった！ちゃんとお遣いしてきたら休暇やるから。

「ホントに？」

　ホントだ。

「で、何買ってくるの？」

　いちご。

「苺？苺買ってくればいいんだね？」

　ああ。いちごをな。

「なーんだ、そんな簡単なこと。じゃ、さっさと行ってきて長期休暇に突入させてもらうね」

　いってらー。

（３０分後……）

「たっだいまー。苺買ってきたよ」

　ほうどれどれ。

「はい、これ」

　……はい、シェラさん失格ー。

「はい！？」

　だから、ちゃんと買い物してこなかったから。

「ど、どうして！？ボク、ちゃんと苺買ってきたよ！？」

　何言ってるんだ？誰がストロベルベル買ってこいって言った？

「ストロベルベルじゃなくってストロベリー！それじゃあミュウイチゴの武器でしょ！！っていうか、湖さん苺買ってこいって言ったじゃない！」

　おお言ったぞ。いちご買ってこいって。

「だからこうしてちゃんと――！！」

　馬鹿だなぁ。いちごって言ったら山田線宮古駅の有名駅弁『いちご弁当』のことに決まってるだろ。

「い、いちご弁当っ！？」

　おお。ちなみに、いちごってのは、アワビやウニを煮込んだいちご煮のことだから。八戸の郷土料理。

「なにそれー！？ボクを騙したなー！？詐欺だー！！湖さんのウソツキー！！」（ポカポカポカポカ）

　勝手に勘違いするお前が悪い。さあ、さっさと行ってこいやー！！

「ぶー！！」（ポカポカポカポカ）