「『今回のお話は、筆者が学生時代、帰省から東京に戻るときに、新幹線なんぞを使いたくないって駄々をこねて、松本経由の急行で帰ったときのお話です』……って、なんでボクがこんなもの読まなくちゃいけないの？湖さんがやらなくちゃいけないことのはずなのに……こんな紙切れ置いて、一体どこいっちゃったんだろう……。ボクだって暇人じゃないのに……あとでチョコパとかおごってもらわないと、絶対割に合わないよね。こんなに待たせてるんだしさ……って、来た来た。湖さんどこ行ってたの？来るの遅すぎ！」

　るー。

「る、るー？」

　るー。

「ちょっと、何そのポーズ！？ふざけてるの！？バンザイなんかして変な声あげて。学習ルームに連れ込んじゃうよ！？」

　るぅ〜。

「あ、あれ？いつもだったら『俺が用意しておいた紙を勝手に改窮して読むな』とか『俺は正常だ』とかいって怒り出すはずなのに。このタイトルだってＰＳの『１９時０３分上野発夜光列車』のパクリなんでしょ！ってツッコミができないじゃないか」

　るー。

「ちょ、ちょっとどうしちゃったの湖さん！？何か変なものでも食べた！？」

　るぅ〜。

「ホントにどうしちゃったの！？『マルチ＞＞＞＞＞＞＞＞（超えられない壁）＞＞＞＞＞＞＞＞イルファ』とか言ってたくせに！」

　るー。

「あっ、わかった！ボクをバカにしてるんでしょ！？そうなんでしょ！？」

　るー。

「ううっ……あったまにきた。湖さんの目を覚まさせてあげる！」

　る？

「えい、ぱんちぱんちなのぉ〜♪」（ ＾-＾）＝○（）ﾟ▽ﾟ)

　きゃうん☆（*Ｔ◇Ｔ*)

「ふぅ、これで目がさめたでしょ？ちょっと刺激が強すぎたかもしれないけど。それじゃあ早速、謝罪と賠償をそこの喫茶店で……」

　…………

「あ、あれ？湖さん？」

　…………

「この前より刺激が強すぎちゃったかな？まぁ、ホッとけばそのうち気がつくと思うけど……」

　…………

「もしもーし……大丈夫ー……？」

　…………

「……あっ！？息してない！？」

　…………

「ど、どうしよう……」

　…………

「と、とりあえず、白い布を顔にかぶせて……」

　…………

「南無南無南無南無……ふぅ、これでよしっと」

　…………

「あーん！どうしよー！！」

　…………

「ボク、人工呼吸とかそんなこと絶対にしたくないし……」

　…………

「もぉ〜！湖さんのバカー！！」

　…………